契約書様式のチェックポイント② ― 締結日と発効日の違いに注意しましょう ―
チェック
ポイント1:契約書作成日を契約日にするのが原則ですが、現実に契約に合意した日でもOK
契約書には日付を記載しますが、間違いやすい点がありますので注意しましょう。
契約が成立した日に完成された契約書があり、当事者が同日に押印や署名することができればその日を契約締結日として記載すればいいのですが、現実にはそうはいきません。次のような状況が発生します。
A:当事者間で契約の合意はしたが、押印・署名用の契約書ができるのは後日である
B:当事者が別々の場所にいて、異なった日に契約書に押印・署名をせざるを得ない
本来、契約の締結日は当事者全員が契約書に押印・署名した日です。もし、Bのように押印・署名が異なる場合は後の(3者以上の場合は最後の)押印・署名がなされた日が契約締結日です。
ただ、現実にはAやBのように契約の合意日(当事者間の申込と承諾で契約が成立した日)と押印・署名日が異なるといった事態が発生します。この場合に、署名・押印日にかかわらず、両当事者が合意した日を契約締結日にすることは両当事者が確認のうえ行うのであれば問題ないと考えられます。ただし、何らかの理由で契約締結日と押印・署名日が大きく離れてしまう場合には、ポイント2で説明するように発効日が遡ることを明確にしておいた方がよいでしょう。
ポイント2:契約締結日と発効日の違いに注意しましょう
以下のような問題が生じる場合もあります。
C:契約書締結日以前から取引を開始していており、効力発生日を遡らせたい
契約の締結日と契約の発効日は異なるものです。契約締結日と発効日を異なる日にしたい場合は、契約書中に締結日と発効日がわかるように記載します。
ポイント3:バックデートは避けましょう
過去に遡って契約を有効にするために、契約締結日以前の日を記載するバックデート(契約締結日は12月1日だが、10月1日から契約を有効としたいために契約締結日を10月1日と記載する)は虚偽の記載となります。後に争いの原因になったり、契約の有効性に問題が生じるおそれがあるので避けましょう。
ポイント2で説明したように、契約締結日と別に契約の発効日を契約書に記載すればよいのです。