契約書様式のチェックポイント④ ― 契約書の名義人に契約の締結権限はありますか ―
契約書には当事者の合意があったことを証明するために、押印や署名を行います。
当事者が個人(個人事業主も含む)の場合は、その人の名義で署名・捺印を行います。
ポイント1:法人の場合は締結権限がある人に契約名義人になってもらいましょう
法人の場合は、契約の締結権限を持つ人が署名・捺印を行います。株式会社であれば代表取締役が該当します※。代表取締役かどうかは、法務局で会社の登記事項証明書を取得することで確認することができます。
※取締役会非設置会社で代表取締役が定められていない場合や、代表取締役や取締役会から代理権を与えられた場合は、取締役が契約締結権限を有します。
ポイント2:代表者以外の場合は締結権限に注意しましょう
組織が大きくなり、扱う契約書の件数が多くなるとすべての契約書に署名・捺印を行うことが困難になるため、代表者以外の人が署名・捺印を行うことも現実には行われています。このような場合でも、会社がその役職員に契約の締結権限を与えている場合は問題はありません。
ただ、外部からはそういった事実は正確にはわかりません。そのため現実には、契約の内容と役職者の肩書が見合うものであるか否かという観点で判断をせざるを得ない場面もあると思います。
組織形態によりますが、一般的には組織や部門の長(所長、部長など)であれば締結権限があると考えてよいとと思います。これら以外の役職でも契約の金額や重要性によっては締結権限があるといえる場合もあります。過去の取引実績などを参考に、また必要に応じて相手に締結権限の有無についての確認を行うなどして、判断する必要があるでしょう。