契約書様式のチェックポイント⑥ ― 条文番号や甲乙の表記に間違いはありませんか ―
ポイント1:条文番号の重複や引用の際の番号間違いに注意
契約書では条文の構成に条、項、号といった区分を使用し、1条、2条のように順に番号を付与していきます。契約書が長文の場合や修正で追加、削除等を行った際に、番号の重複や欠番が発生していることがありますので注意が必要です。
また、契約書の条文で別の条文を引用する場合がありますが、引用する番号を間違えていないかについても注意が必要です。当初は正しい条文番号を引用していても、条文の追加、削除、入替をした場合には引用する条文番号も修正する必要があります。 なお、引用の際に条文の表題も引用しておくと間違えを発見しやすくなり、万一間違えが残ってしまった場合でも、引用を意図した条文がどれであったかについて、当事者間の合意が得やすくなります。
ポイント2:甲乙の表記に間違いはありませんか
日本の契約書は、当事者を指す略称として甲乙(丙丁・・・)を用いることが多いと思います。これらは当事者と関連性のない略称であるため、甲と乙が間違って使われていても気づきにくいので注意が必要です。ミスを防ぐために、以下の方法をお勧めします。
①契約上の役割を表す略称を用いる
製品を販売する当事者を「販売者」、購入する当事者を「購入者」とするなど、契約上の役割を示す略称を用いる。
②当事者の名称の一部を用いる
「山本経営コンサルティング事務所」を「山本事務所」、「中央電子機器株式会社」を「中央電子」とするなど、当事者名の一部を使用した略称を用いる。
ポイント3:甲乙表記を使用する場合のミスチェック方法
甲乙表記を使用する場合でも、チェックの際にワープロの一括変換機能を使用して甲乙をわかり易い略称に変換すると、間違いを発見しやすくなります(甲を「販売者」又は「○○社」、乙を「購入者」又は「××社」などに変換してチェックする)。間違いを発見した場合は、甲を乙に変更するといった修正を加えます。